日本および北，道における酪農形態と生乳品鬵の多様性:持続的酪農経営の実践のために

摘要

現在、日本の酪農は転換点に立たされてい るのだろう。他の酪農先進国においても同様 で、将来に向け持続的酪農生産への転換が重 視されつつある。現在主流の考えは、持続的 酪農生産を実現するためには酪農家の経営を 継続させる必要があり、経済的効率化を図る 必要があるとの考え方である。しかし、労力 の省力化や分業化、大規模化など経済効率化 の優先はモノカルチャー的酪農につながる危 険性を秘め、持続的でない可能性も秘めてい ることを忘れてはならない。モノカルチヤ一 的農業はほんの一部のバランスの崩壊により 壊滅的打撃を受けかねないことは周知の通り であろう。本稿では、多様な風土を持つ日本および北海道における酪農形態の多様性とそ れに関連する生乳品質の多様性の現状につい て述べ、今後の日本および北海道における持 続的酪農の実践に向けての考察を示したいと田つい.