開発途上国における図書館支援 ★ ビルマ（ミャンマー）難民キャンプの事例から★

摘要

命に直結する問題を抱える開発途上国では，こ れまで，食料や医療のような緊急の援助が優先さ れてきた。そこではしばしば教育の支援は後回し にされがちである。しかしそうした環境では，多 くの子どもたちが読み書きを通じ，生きてゆくた めに最低限必要な「基礎教育」を受けられずに育 つ。彼らは教育とは無縁なまま，その必要性を実 感できずに大人へと成長する。そのことは，彼ら が子どものときに抱えた状況を，次世代でも繰り 返す危険性を大いにはらんでいる。人間が他の生 物と異なり，思考し，創造する生物である以上， どのような状況下にある子どもであろうとも，子 どもたちが子どもであるときに，健康の保障と同 様に，教育も保障されるべきである。