Doripenemの小児由来臨床株と化膿性髄膜炎の 臨床分離株に対するMIC

摘要

全国の医療機関で2007年に臨床分離された小児あるいは成人由来のStreptococcws pneumoniae 200株とHaemophilus influenzae197株，2006年に臨床分離されたH. influenzae type b 50株，1990—2005年に臨床分離されたLiま)t.ki monocytogenes 20株， 2007~20()9ャに臨床分離されたNeisseria meningitidis 23株，1989年?2003年に臨床分 離されたBordetdlapertussis 83株を用い，カルバぺネム系抗菌薬doripenem (DRPM) のin vitro抗菌活性を評価した。対照薬として力ルバぺネム系抗菌薬meropenem (MEPM), imipenem (1PM), panipenem (PAPM)， biapenem (BIPM),セフエム系抗 菌薬ceftriaxone (CTRX), cefotaxime (CTX)，ペニシリン系抗菌薬ampicillin (ABPC) 及びマクロライド系抗菌薬clarithromycin (CAM)を用い，CLSIの推奨法に準じた微量 液体希釈法または寒天平板希釈法により感受性を測定した。DRPMの小児由来の pneumoniaeめるいはH. influenzaeに対するMIC90はそれぞれ0.25mug/mL,1mug/mLと同 時期に分離された成人由来菌株とほぼ同じ値を示し，DRPMの抗菌力が患者年齢にかか わらずほとんど変動しないことが示された。また，DRPMは化膿性髄膜炎の主要な原因 菌でめなH. influenzae type b, L. monocytogenes, N. meningitidis及び百日咳の原因菌で あるB.pertussiに対して他のカルバぺネム系抗菌薬と同程度以上の優れた抗菌力を有 していることが示された。DRPMは小児感染症領域で問題となることの多い菌種の臨床 分離株に対して優れた抗菌力を有することが示唆された。