レール締結装置用3軸疲労試験装置

摘要

レールをまくらぎや軌道スラブなどの支承体に固定するための装置をレール締結装置といいます。レール締結装置は，レールに作用する荷重や振動に抵抗し，レールを正しい位置に保持するための機能と強度が要求されます。今回ご紹介するレール締結装置用3軸疲労試験装置は，レール締結装置の機能と強度を確認するためのものです。本試験装置は，3基の油圧載荷装置(アクチュエーターNo.1～3)を有し，レールに対して3方向から載荷することができます。このうち，2基のアクチュエーターNo.1とNo.2は，馬てい形状のフレームに沿って移動が可能であり，輪重と横圧に相当する荷重を軌間の外側と内側の2方向から任意の角度で載荷することができます。急曲線では，台車の前軸と後軸の通過により，それぞれレールを軌間の外側と内側へ傾かせる力が交互に働くことがあります。このため，荷重の繰り返し作用に対するレール締結装置の耐久性(疲労強度)を確認する際には，2方向から交互にレールを載荷する試験を行っています。このような載荷方法は，世界的にも例のない日本独自のものです。