力触覚伝達型遠隔操作システムとAIを連携ロボット自律化に新手法

摘要

近年，生産施設の建設事業においては，建屋ゃ建築設備のみならず生産ラインやその運用方法を考慮したトータルな計画•設計施工を手掛けている。顧客と共に生産施設の企画•計画検討を進めていく中で，多く挙げられる課題が第一に「人手不足」，次いで「技能伝承」である。そこで2016年に課題解決のアプローチとして，現在の生産現場における「労働集約型作業」から「ィンターネットを利用した高効率作業=労働力集約型作業」への変革を目指した検討を開始した。その際に用いるコアテクノロジーは，力触覚伝達および遠隔操作に関する技術である。翌2017年にはスタートアップ企業との協業により「力触覚伝達型遠隔操作システム」のプロトタイプを開発し，技術面での成果項目と課題を洗い出した。2018年には異業種の協業企業も増やし，産業向けの汎用ロボットや国際規格に準拠した制御システム等の導入により，生産現場を意識した構成に進歩させた。さらに2019年2月にはAI (人工知能）を連携させることにより，人間の遠隔操作データから産業用ロボットを精度良く自律動作させることにも成功した。本稿ではその開発の経緯や成果を紹介する。