板材に対する高精度高能率加工を実現する両面同時フライス加工技術の開発－左右主軸回転数差による再生型びびり振動の抑制

摘要

板材の加工は裏面をマグネットチャックにより固定し，表面をフライス加工する方法が一般的である．しかし，この手法では二面を片面ずつ切削するために生産効率が低いだけでなく，被削材を弾性変形させた状態で切削することにより加工精度も低いことが問題となっている．これらの問題に対して，筆者らは，図1 に示すように板材の両面を対向する2 つの主軸により同時に切削する手法を試みている．しかし，その固定方法による被削材の剛性低下や複数主軸の同時使用に起因して再生型びびり振動が発生することが本加工法の実用化の上で問題となっている．そこで本研究では，両面同時切削において左右主軸に回転数差を設けることにより左右の再生効果を相殺し，再生型びびり振動を抑制する手法を提案する．さらに，試作機を開発して，切削実験により本手法の有効性について検証を行う．