Elevation angleの近似平面を用いた変形性膝関節症患者の歩容解析（平面法則の有無と近似平面の角度差を用いた検討）

摘要

変形性膝関節症は経年的に軟骨や半月板の損傷や骨麻を伴い関節痛を発生させる疾患であり，歩行障害などを引き起こし，患者のQuality of Life低下を招いている．本邦での有病者数は2，530万人と推定されるなど，その疾患対策への社会的ニーズが高まっている．本疾患は経年的に進行する疾患であることが知られているが，その悪化プロセスは解明されていない点が多くある．過去の研究で，歩行時の下肢アライメント（歩容）が疾患の悪化プロセスに関わっていることが示唆されている．そのため，歩容を調べることが悪化プロセス解明につながる重要な手掛かりと考えられている．また，歩容の特徴を用いて疾患であるか診断できる手法が検討されている．しかし，疾患を持つ患者の歩容の特徴を抽出した研究はまだ数が少なく，どのような歩容が悪化に関わるかは未だ明らかになっていない．