近畿圏民生部門における二酸化炭素排出量大幅削減に伴う電力需要の変化の推計

摘要

特に太陽光発電は35GW～50GWの導入が検討されている。太陽光発電の大量導入による電力系統への影響は議論されてきているが、ここで述べたような対策が普及した場合、電力需要の減少が太陽光発電の普及と同時に生じることとなり、これを無視した場合、太陽光発電大量導入の影響は過小評価されることとなる。このような背景から、本論文では近畿2府4県（大阪、京都、滋賀、奈良、兵庫、和歌山）を対象として、上記の各種対策が民生家庭部門、業務部門に普及した状況を想定して電力需要、太陽光発電の発電量を推計する。本論文で考慮した温暖化対策とその設定を表1に示す。特に、時刻別の需要量、発電量の関係を分析し、温暖化対策の普及によって生じうる問題について考察する。