自動車の鈑金修理へのレーザー技術の応用－鈑金補修材のレーザー研磨は可能か

摘要

自動運転に見られるような通信技術や，車両の電子制御化のみならず，国土交通省が進める先進安全自動車（ASV）の普及に伴い衝突被害軽減ブレーキ等の装着車は年々多くなっている．また，CO_2の排出量削減には車体の軽量化が不可欠であり，超高張力鋼板やアルミなどの軽量化素材が積極的に活用されている．こうした先進技術の普及は，低燃費や高い安全性をもたらす一方で，自動車部品製造業のみならず自動車整備業にも様々な課題を突き付けてくる．車検後に先進安全装置が作動しなかった場合，その責任は誰が負うのか．自動車の様々な使用過程にあって，衝突被害軽減ブレーキに不可欠なカメラやレーザー·レーダーといった装置は正しく取り付けられているのか，そもそも必要時に作動するのか．飯金修理においても同様である．先進技術の普及によって飯金修理台数の減少が進む一方，アルミや超高張力鋼板といった新たな素材の補修や交換の脱着作業を行うためには，新たな補修技術や高額な計測装置，溶接機器などの導入が求められる．新車の開発と同様に，自動車の修理も車の普及には欠くことができない重要な要素である．