一般座標系における高次精度運動エネルギー・エントロピー保存(KEEP) スキームの構築

摘要

DNS やLES などの乱流の数値計算を高精度に行うには非散逸(もしくは低散逸) かつ数値的に安定な数値計算手法を用いることが重要である．しかし一般に数値計算を安定化させるには数値粘性が付加されることが多く，その場合には解は散逸的になってしまうため高精度に乱流計算を行うことは困難である．そこで密度，運動量，全エネルギーといった一次的な保存量に加え，運動エネルギーやエントロピーなどの二次的な保存量(運動エネルギーに関しては非圧縮条件で保存) を数値的にも保存することにより，数値粘性の付加なく数値計算を安定化させる方法が提案されている．これらのスキームは運動エネルギー保存(kinetic energy preserving: KEP) スキームやエントロピー(entropy preserving: EP) 保存スキームと呼ばれ，以下のように有限差分法や有限体積法などの様々な計算手法に対して安定かつ非散逸なスキームが提案されている．