外部磁場を利用した水晶発振回路式濃度センサに関する基礎研究

摘要

本研究では、電解質水溶液中のイオン種、濃度に対する水晶発振回路式容量センサの応答の外部磁場依存性について研究を行った。本センサの原理は、平面展開したセンシングキャパシタ（SC)から出る電界を液体に侵入させ、その複素容量(複素誘電率）変化を周波数変化として非接触で評価するものであるの。本センサは安価な部品で構成できるため、液体を扱う工場の自動化、IoT対応のセンサ として期待される。本報では、電界に対し直交して磁界が分布するよう永久磁石を配置し、イオンの電 界へ追従する動きに口一レンツ力を加えることで、イオン種の識別を試みた。この力の影響は水和ィォ ンの質量、半径、価数にょリ異なる。また、MHz帯以下ではイオンの運動による導電性の変化、つまし」、 比誘電率の虚数部の変化の周波数依存性が高いことが知られている(2)。これらを利用し、磁場の有無 によるセンサ応答の違いでイオン種の識別ができる可能性がある。