レファレンス·サービスを評価しようとする時,量ではなく質を評価したいと考える図書館職員や図書館·情報学の研究者は多い。三浦逸雄は,"レファレンス担当者のあいだには,提供しているサービスを量および質の両面から測定·評価し,その結果を今後のサービス方針の確立に役立たせることのできる方法を求める声が強い"1)と指摘したが,四半世紀を経た現在でもレファレンス·サービスの質の評価は普及していない。その理由として,レファレンス·サービスというサービスそのものに内在するものや,分野にかかわらず質を評価することの難しさが挙げられる。そもそもレファレンス·サービスの概念さえ人により異なっており,レファレンス·サービスの受付数といった統計をとることも難しい2)。 さらに,サービスには,「非有形性(intangibility)」「不均一性(heterogeneity)」「生産と消費の不可分性(inseparability of production and consumption)」「消滅性(perishability)」という特徴があるため,抽象的で把握することが難しい3)のである。
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