自動車トランスミッション用外輪クリープ防止軸受「クリープレス軸受」

摘要

自動車のトランスミッション（以下，T/M）において，本来は静止している軸受外輪が運転中にわずかずつ回り（外輪クリープ），このためにアルミ製ケースのはめあい面が摩耗損傷する場合がある．従来の対策では，回り止めとしてピンやフランジを用いたり，外輪外径面に摩耗防止のための加工を施したりしていた．しかし，いずれの方法も，T/Mケースに特別な加工が必要であったり，または組み立てに手間がかかったりするために，新たな対策が求められていた．NSKでは，T/Mで発生する外輪クリープの発生原因を解明し，それに基づいてシンプルでかつ効果的な対策方法を見出した．それを適用した対策品をクリープレス軸受として商品化したので，以下に紹介する．