接着層を薄くしたCFRP板接着鋼板の実験および解析的検討

摘要

構造物を対象にした補修·補強において，繊維強化樹脂（FRP：FiberReinforced Polymer）を用いた方法があり，これまでに様々な検討が行われている．補強繊維のなかでも炭素繊維は他の繊維に比べて弾性係数が高く，種類も豊富であるため，構造物の補修·補強でこれまでよく利用されている．工場であらかじめ炭素繊維を高分子樹脂で硬化させて板状に成形するCFRP板は，現場でのFRP作製に比べ品質が安定し，繊維の含有率を高め，効率的に補修·補強することができることから鋼構造物の補修·補強ではよく用いられている．さらにCFRP板は165GPaから450GPa程度の幅広い弾性係数や板厚のタイプが製造されており，対象とする鋼構造物の部材に合わせてCFRP板を選定できる．