リンパII重と思ったけど，リンパ腫じゃなかった!？リンパ腫にまつわる誤診、勘違いのァレコレ

摘要

細胞診でリンパ腫の診断ができた時代も今は昔。2002年に 獣医学領域においてもリンパ腫のWHO分類が導入され，し ばらくは沈黙の時間があつたが，この10年ほどの間にリンパ 腫に対する理解は急速に進行した。そして近年では，臨床現場 でWHO分類に基づく診断名が反映されるようになつてきて いる。WHO分類は，リンパ腫の形態と免疫表現型（T細胞， B細胞)，臨床的な悪性度に基づいて分類される。そのため，診 断には病理組織的な検査が欠かせない。つまり細胞診ではリ ンパ腫のWHO分類はできないことになる。それでは細胞診 はWHO分類時代において"時代遅れ"になってしまったので あろうか？否！細胞診はリンパ腫のスクリーニング検査 として機能するだけでなく， WHO分類の特徴を理解し，免 疫表現型や臨床の情報と合わせる事でWHO分類をある程度 推定することが可能である。このように，WHO分類時代に あっても，細胞診はリンパ腫診断のための需要な検査である ことに変わりはない。