血清ェクソソー厶の最新定量プロテオ スを用いた線維化マーカーの探索

摘要

特発性肺線維症（IPF)は，遺伝的素因に加齢?環境? 喫煙などの外的要因が慢性的に加わることで発症する複 雑かつ多様な疾患であるため，診断?治療?新薬開発スト ラテジ一のパラダイムシフトとして特異性の高いバイオ マーカー（BM)の開発が求められている.最も有用な BMのリソースとしての血液は，多くの夾雑物を含むた め，網羅的解析を用いても有用なBMの同定には至って いない.そこで，血中を漂う細胞外小胞（エタソソーム） の研究により，血清プロテオミクスの抱える種々の問題 点を克服できると考えた.当教室では血清ェクソソーム のプロテオミクスを用いたBMの開発をおこなってお り，これまでェクソソームから単離したいくつかのタン パクプロフアイルが呼吸器疾患の病態や病勢を反映する ことを報告してきた.現在，筆者らは先行研究で培つ た技術を発展させ，IPFのBM探索に挑戦している.本 稿では.IPFにおけるBMの現状と，最新プロテオミク スを用いた解析について紹介する.