完全なる復活：ニッサン 350Z (NISSAN 350Z)

摘要

少なくともアメリカにはとてもよく似合っている。 その色もカタチも走りの雰囲気も。アフォーダブルなリアルスポーッというキャッチフレーズを引っ提げて初代S30型が太平洋を渡ったのは33年前。 6年のブランクを乗り越え、いままた遥か追浜の埠頭から輸出専用船の腹を満たして続々と送り込まれる5代目"Z-Car"ことニッサン350Z（Z33型）は瞬く間に全米のフリーウェイを埋め尽くすことだろう。 このクラス、この内容にして2万6269ドルからというのは異例のバーゲンに違いない。 時流れ当時の先達、MGBやTRシリーズはボクスターやZ3、TTに変わったが、実力の点でもそれらを震撼させるに充分で、返す刀でアメリカ人にはやや線が細いと映るS2000やMX-5ミアータをも斬って取ろうとしている。もしかしたら市場に与えるインパクトは圧倒的なアフォーダビリティで“ベストセリング·スポーツカー”の座を勝ち取った初代以上かもしれない。全身を貫く、なにかこう骨太な感じがスポーツカーとしての本来的な資質と可能性を窺わせ、気持ちが良かった。周知のとおリベースはスカイライン350GT-8だが、思えば初代も解ユニットの組み合わせにすぎなかった。 いさきか早とちりの誹りを覚悟の上で、"The best ever of Z"の称号を与え、その復活を喜びたい。