ポータブルAE診断器を用いたエスカレーター用軸受診断技術の開発

摘要

鉄道駅では、交通バリアフリー化を目指しエスカレーター整備が進められてきており、現在、駅舎内での利用者の速やかな移動にエスカレーターは欠かせないものになっている。エスカレーターが故障·急停止してしまうと、利用中の利用者が負傷する恐れがあり、また、復旧までに長時間停止すると、利用者の円滑な駅構内移動が阻害されてしまうなど、突発故障が与える影響は甚大である。大都市圏にある鉄道駅舎内のエスカレーターは、初電から終電まで20時間以上もの長時間稼働、半屋外設置で日照·風雨への暴露、利用者の駆け上がり、駆け下りなど、一般の建物内に設置されているエスカレーターよりもはるかに過酷な環境·負荷で稼働している。さらに近年は、多くの産業用設備と同様に、設置からの経過年数が10年を超える設備が増えている状況もある。