北東アジアにおけるエネルギー市場の展望とエネルギーセキュリティ: 天然ガスパイプラインを活用したエネルギーアライアンスの構築

摘要

アジアの中·長期的経済発展に伴うエネルギー需要増，エネルギーの供給源の多角化，原油の中束依存度低減，厳しさを増す地球環境問題·地域環境問題への対応，次世代の分散型エネルギーシステムへの対応などを背景に，アジアにおける天然ガス利用の促進が注目を集めている．特に，北東アジアでほ，ロシアのサハリン，イルクーツク，ヤクーツク（サハ共和国），西シベリア地域，中国のタリム盆地，オルドス盆地，中央アジア諸国に豊かな天然ガス資源が確認されており，これらのガス田から中国，韓国，日本などのアジア太平洋地域に天然ガスを輸送するための具体的なパイプラインの計画·構想も打ち出されてきている．本稿では，北東アジアにおけるエネルギー市場の展望を踏まえて天然ガスの果たす役割について整理するとともに，エネルギーセキュリティの観点から天然ガスパイプラインを活用したエネルギーアライアンス構想について述べる．