EcoMaterialsの社会·経済要素

摘要

学問体系はすべて時代と共に進化するか，或いは変化して，その意味合いが変わって行く．EcoMaterials（以下エコマテと略称）もその例外ではない．ェコマテフォーラムは初め環境負荷の少ない材料，そして環境に配慮した材料利用システムを基軸としてスタートし，インテリジェント材料と並hで世界への新たな提案となった．そしてエコマテは環境に配慮した材料体系として注目された．その後エコマテ関係者の環境時代を読むセンスと努力によってEcoEfficiency，EcoBalance，EcoDesignと次々に経済社会を意識した会議体が発足し，環境問題に必要な分野横断型の情報収集·要素検討·提案発信の基地が作られたが，エコマテは常に資源·環境問題の一角を占めてきた．しかしこの2，3年すべての工業材料が環境を意識し始めるとェコマテ自身の独自性や存在感は相対的に薄れてきた．エコマテに関しては大学，公的研究機関を中心にアカデミックな研究が進められてきたため，企業と組hでエコマテを工業化する考えは弱かったのではないかと思う．本稿ではエコマテの社会·経済要素に焦点を当て，エコマテ研究の意義を見直す目的で(1)エ占マテの基本コンセプト，(2) エコマテ遺伝子としての構造問題，(3)エコマテ領域と今後の発展，という視点から考察したい．