ハノイ旧市街Luong Van Can 通りの同業者集積の変遷と現状: 社会経済組織に着目したアジア大都市の歴史地区保全に関する研究 その3

摘要

LVC 通りの商業変遷と実態の分析考察から、LVC 通りの同業者集積の転換プロセスについて、①ブーム的な集積の発生～確立までは約20 年で達成、②集落とブームに由来する新旧ブランドの併存過程、商業の特徴について①集積は商業組織や事業上の協力関係はなく小規模個人店の集合、②一部で出身集落との文化的・社会的繋がりの継承、という点を明らかにした。本稿では見かけの職業転換プロセスに着目したが、自宅兼店舗となっている事例が多い中で、町家・店舗空間の所有権の転換と職業転換の周期、他の通りの集積との関連など転換プロセスへの影響要因の検討が今後の研究課題である。