ものづくりと地球環境【第87回】：OUR VISION－生存の条件－（1）－旭硝子財団の地球温暖化に関する中間報告書

摘要

旭硝子財団は、“地球環境問題を考える懇談会”を2006年12月に設置し、地球環境問題をはじめとする人類全般の課題に関する議論を重ねてきた。同懇談会は、各界を代表する有識者28名が理事·評議員となり、今般、これまでの議論をまとめ、中間報告書「OUR VISION－生存の条件－」を刊行した（写真1）。本中間報告書は、地球温暖化に焦点を当て、ビジョンをまとめ、持続可能な社会の構築に向けた問いかけを、広く社会に発信するものとして、以下のようにその趣旨を説明している。“『成長の限界』から約40年。世界が地球の有限性を認識してから現在まで、問題は沈静化するどころか、ますます深刻化している。もはや事態は「成長の限界」を超え、「人類の存続」さえも危ぶまれる局面にある。…本書では、これら議論の中から地球温暖化に焦点を当て、真に持続可能な社会のあり方－OUR VISION－を問いかける。”今回は、この中間報告書の概要を旭硝子財団のご了解を得て紹介する（同書の目次は表1の通り）。なお、旭硝子財団は、「ブループラネット賞」を創設し、地球環境問題の解決に向けて貢献した個人や組織を顕彰しており、本連載でも受賞者の紹介を何回か掲載している。