同一の不斉源から両鏡像体を高光学純度で得る手法：触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応を中心に

摘要

筆者らは1994年，本誌に「光学活性シッフ塩基-チタンアルコキシド触媒を用いた不斉炭素-炭素結合形成反応」のタイトルで総合論文を書かせていただいた。筆者らの用いている光学活性シップ塩基配位子の一般構造式を図1に示す。 1994年の時点ではR~3＝Hであった。 本総合論文では，まず，その後の光学活性シップ塩基配位子の改良，変遷などの展開について述べる。 後半ではその過程で，同一不斉源から生成物の雨鏡像体を高い光学純度で作り分けることに成功したので，不斉触媒反応による両鏡像体を作り分ける方法について筆者らの手法を中心に紹介させていただく。