水の中でドナー·アクセプター分子を光らせる：ドナー·アクセプター分子の会合に基づく水系発光システムの構築

摘要

ホタルの発光に代表される自然界の発光色の美しさに は，化学者にとどまらず，多くの者が魅了されているに 違いない。これらの自然界からの発光が，人類に恩恵を 与えてきたのは周知のとおりであり，オワンクラゲから 単離された緑色蛍光タンパク質の研究がノーベル化学賞 の受賞対象になったことは記憶に新しい。一方，有機合 成手法により人工的に作られた有機蛍光色素も，有機 電界発光や固体レーザー等の機能材料分野，さらにセンサーヤプローブとして生体分野で幅広く用いられている。