プラント配管溶接技術の潮流

摘要

プラント配管からの漏洩などのトラブルは機器の性能に重要な影響を与えると共に社会的な問題になる場合もあり，その溶接部には高い品質が要求される。これらの配管溶接作業は，工場と比べて現地で実施される比率が高い。現地溶接では水平固定管や垂直固定管など配管が回転できない場合が多いため，全姿勢での溶接作業（写真1）となり，高い技術および技能が必要となる。そこで熟練溶接技能者不足やコスト競争力強化の観点から溶接の自動化合理化能率向上が積極的に進められているが，それらが定着化しているとは言い難いのが現状である。これは自動化への期待が生産性の向上を重視するあまり，品質の安定化や溶接技能者育成など総合的な評価が行われていないことに問題があると言える。本稿では上記の問題点を鑑み，発電プラントにおける配管溶接技術の現状と今後の課題について紹介する。