パイプ--この厄介なる溶接: 第5回 一番の難所に臨む

摘要

本溶接前にもう一度周囲を確認する。キャブタイヤケーブルは他人が引っかけない位置にあるか，溶接テーブル等に邪魔されなく自由に動くか。ある受験者は，溶接中にケーブルが引っかかって，ホルダ操作が上手くいかず，肝心な上向溶接裏曲げ部で，溶接を中断せざるを得なかった。アークを切ると溶接部は急速に収縮してRG（ルート間隔）は狭くなり，再アークで上手にビードを継いだとしても，健全な裏波溶接は期待し難い。また，ビードを継ぐこと自体が欠陥を入りやすくするから，キャブタイヤケーブルの自由運動度は大切だ。