音響光学偏向器を用いたレーザー波面の高速測定－音響光学効果を用いた高速度撮影の放電計測応用

摘要

結晶中の音響波による入射光の回折効果を用いる音響光学素子はレーザー光の変調器、周波数シフタ、偏向器、あるいは波長可変フィルタとして用いられている。このうち、音響光学偏向器は機械的な動作を伴うガルバノミラーよりもレーザー光を高速に偏向できることから、高速のレーザービームスキャナなどに利用されている。 しかし、このような応用ではレーザー光断面を「点」として扱い、それを空間的に走査するため、レーザー光の強度分布の描写は行わない。 本稿では音響光学偏向器をシャッタとして用いてレーザー光強度分布の高速度撮影に応用する。レーザー干渉計測·波面計測ではレーザー光の位相分布を強度分布に変換して画像として捉えるため、この高速度撮影技術が活用できる。 本稿ではトーザ一波面の高速測定が求められる応用例として、過渡的な大気中放電の計測について述べる。