ワイヤ鼋解加工の特徴と電極消耗対策

摘要

電解加工とは，電解液を介して対置した工具電極と工作物の間に電圧を印加した際に生じる電気化学反応を利用し，金属材料を除去ないし付加する加工方法である.主な利点としてて作物の機械的性質によらず加工が行えること，加工速度が速く工具電極は消耗しないことなどが挙げられる.これらの特長を生かし，リ取り，金属表面の研磨?改質処理などの分野で広く利用されている.また，解加工の工具電極に細いワイヤを用いて，それを糸のこのように下.作物を切断するワイヤ裙解加工法がある.一方,生産現場で広く利用されているワイヤ放電加工は，電極の消耗があるため，ワイヤ電極を常に巻き取りながら使い捨てにすることによって電祸消耗の問題を冋避しているが，ワイヤ走行機構が複雑で大掛かりとなっている.これに対し，直流電源を用いたワイヤ電解加工は，工具の消耗がないため，工具の機構は非常に単純になるとのメリットがある.また，ワイヤ電解加丁-には熱による変質，残留応力，クラック，バリ，白層が発生しないという利点がある.本解説記事では，ワイヤ電解加工の概要と特徴を説明し，またパルス電源の使用により生じた電極消耗を低減する取り組みを紹介する.