コンテクストブランディングの戦略－サービス社会の無形資産価値創造⑦：公共受容のコンテクストブランディング－なぜ公共受容か？

摘要

今号では、なぜ公共受容を自社のコンテクストとして取り込むブランド戦略が必要とされているのかということについて、1つは消費者の嗜好の変化、もう1つは企業の持続的成長性という2つの視点から論じていきたいと思う。 復習になるが、ここで言う公共性とはドイツの哲学者ハーバーマス(Habermas.J)の説く、新公共性に依拠する。 対話、コミュニケーションを通して互いの考えを統合していくプロセスをとり、市民的公共性と表現される。 一方受容とは、意識を伴わない反射的な行為の一環である。 つまり公共受容とは二つの相反する言葉を重ね合わせていることになる。 つまりじっくりとした対話による理解と行動に対して、反射的反応による行動である。公共受容とは二つの矛盾する行為を弁証法的に止揚することにより価値を創造するブランド戦略なのである。