創成型科目における最大の盲点を克服する体系的な教育方法：創成能力を育成するための発想ツールとその教育効果

摘要

図1に示すように，創成型科目をはじめて試行した大学·高専の担当教官は，すべてとはいわないが，その多くは創造性育成の教育方法が暗中模索の状態である．しかし，学生に対しては，「これからの技術者には，創成能力が要求される．さあ，創成能力を発揮せよ！ 」との号令を張り上げざるを得ない．一方，知識偏重教育に順応してきた学生の方は，課題が未消化のまま創成能力も開発できず，途方に暮れる者が多発する．ところが，図2のように一部の創造性豊かな学生の独創的かつ斬新な作品披露によって，「創成型科目の実施成果が上がった」と担当教官は自己満足し，またそれを視聴する学生は自分の能力不足を忘れて「ものづくりは貴重な体験で，充実した授業だった」と錯覚してしまう．