屋内位置情報サービス提供システムにおける位置情報を考慮した負荷分散手法の提案と評価

摘要

GPSなどに対応した測位可能な携帯端末の普及から，位置情報サービスを誰もが容易に利用できるようになった．さらに，IMES （Indoor Messaging Service）などの屋内測位システムを利用することで屋内での測位も可能となったため，ユーザはショッピングセンターなどの大型商業施設内でも位置情報サービスを利用することができる．しかし，ショッピングセンター内の数万人のユーザから毎秒発生するサービス要求クエリはシステムの負荷となる．利用者から発生した多量のクエリは，負荷対策を考えていない場合，システムの運用に影響を与える．そこで本研究では，ショッピングセンターなどで用いられる屋内位置情報サービスへの局所的なクエリパターンを考慮し，位置情報に基づいて負荷分散処理を行う分散データ管理手法を提案する．評価実験を行い，提案手法はショッピングセンターの利用者から発生するクエリを処理し，システムのスケーラビリティを確保したことを示す．