騒音下における放送音声の最適聴取レベルの予測について－予測用ニューラルネットワークの入力要素に関する検討

摘要

本報では、最適聴取レベル（すなわち、騒音下において放送音声が快適に聞ける音量）を、いくつかの騒音について調査した。その結果、騒音のラウドネスレベルが、最適聴取レベルの説明要因として重要であることが示唆された。 次に、周囲騒音の1/3オクターブバンドスペクトルから、最適聴取レベルを予測するニューラルネットワークの学習に重要な要素を解析した。 その結果から、音声の主要な成分である4つのオクターブバンドレベル（500～4kHz）に加えてラウドネスレベルや中心周波数8kHzのオクターブバンドレベルが重要であることが分かった。 この解析結果を考慮して入力要素に騒音のラウドネスレベルと中心周波数8kHzのオクターブバンドレベルを加えたデータセットを用いてニューラルネットワークを学習させた結果、学習誤差や予測誤差を減少させることができた。