Zペラの旋回油圧システムの紹介

摘要

Z形推進装置は，全旋回式推進装置あるいはアジマススラスターと呼ばれ，プロペラの推力方向を360度全方向に自由に変えられる構造を持つ.1950年にドイツのメーカが初めて開発した.当社は，Zペラという商品名で1969年に港湾タグボート用の推進装置としてZ形推進装置を開発した.Zペラの大きな特徴は，コルトノズル付きプロペラで強力な推力を発生することと，プロペラとノズルの推力方向を360度全方向に自由に変えられることである.Zペラを搭載した船は，プロペラの推力方向を変えることにより操舵が可能なので，通常の舵を必要としない.通常は2機2軸として用いられ，両舷プロペラの推力方向を組み合わせることで優れた操船性能を発揮できる.例えば，前後進や緊急停止，一点旋回，移動などを容易に行うことができる.このような理由から，国内外のタグボートや各種作業船，フェリーなどに数多く採用されている.