最適化手法を用いた複数個音源の同定（第3報：音源のパワースペクトルの同時同定）

摘要

本研究では，マイクロホンアレイを用いた音圧値測定より音源情報を同定する場合において，音源位置と振動速度を同時に同定する方法を実験によって考察した．同定に際しては観測値と計算値より評価関数を求め，それが最小となるように最適化問題を解く方法を用いた．その際の評価関数と計算アルゴリズムに第2報で提案した観測点重み付け法を使用し，各音源のパワースペクトル同時同定を試みた．考察の結果，前報で示すことができた音源位置の同時同定に加え，各音源の振動速度振幅の周波数分布，あるいは音圧の周波数分布を求めることができることがわかり，機械のリモート診断に有用な手法であることがわかった．