高血圧治療におけるバルサルタン/シルニジピン配合錠(ァテディ才⑧配合錠）の生理学的および薬理学的意義 高血圧における交感神経系とRenin-angiotensin-aldosterone系の悪循環の観点から

摘要

高血圧を発症，進展させる要因は，交感神経系（以下, SNS)， renin-angiotensin-aldosterone系(以下，RAAS)，体液量，末梢血管の緊張などであり，それらの要因は互いに複雑に影響しあっている。単一の 要因に的を絞った治療，monotherapyは，活性化さ れている他の要因を必ずしも抑制せず，十分な降圧 効果を引き起こさないこともあるが，ある薬剤によ るmonotherapyで十分に降圧されなかったとき，あ る薬剤と他のクラスの薬剤との併用は，ある薬剤の 増量よりもしばしば大きな降圧をもたらす。した がって，確実に高血圧患者の血圧を下げるために は，異なった要因に対する薬剤を組み合わせた治療が望まれる。