第9回　職場における母性健康管理①

摘要

企業における母性健康管理が義務化されてちょうど5年が経った。 平成10年の労働基準法（以下、労基法）·男女雇用機会均等法（以下、均等法）の改正は、平成11年の時間外·休日労働·深夜業の規制解消による女性労働者の職域拡大に備え、その前段階として、いわゆる妊娠出産期の母性保護を確立させておくという趣旨のものであった。 母性健康管理をこれまでの健康管理体制の中に組み入れ、うまく機能させている職場が多く見られるようになる一方、前例がないためにいまだに女性労働者自身が出産育児期の就労継続を断念しているような職場もある。今回は、妊娠出産·育児期の流れにおける知識や職場での配慮について理解を深めていただき、次回では母性健康管理を推進するために必要な体制や母性健康管理指導事項連絡カードの活用、今後の課題について述べることとする。