フェーズドアレーアンテナ指向性校正の校正精度に関する検討

摘要

フェーズドアレーアンテナでは，給電回路特性変化などによりアンテナ放射特性が劣化することがある．この放射特性変化を検出·校正する技術として，素子電界ベクトル回転法（REV法）を用いた校正法がある．本稿では，理論検討及び検証実験により，REV法を用いたアンテナ指向性校正法により得られる校正精度を明らかにすることを目的としている．校正精度に関する理論検討では，移相器通過特性誤差及び熱雑音に対する校正後のビーム指向誤差及び平均利得低下量の関係式を導出する．さらに，シミュレーション及び実験によって，導出した理論式の検証を行い，この理論式が校正精度把握に有用であることを明らかにした．