(114)過荷重がき裂部を閉口したストップホールの疲労強度に与える影響

摘要

これまでに，鋼桁や鋼床版等の鋼橋に多数の疲労き裂が発生していることが報告されている1),2)．今後も大型車交通を繰り返し受けることにより，多くの疲労き裂の発生が予想される．鋼橋に発生した疲労き裂に対しては，き裂の先端にドリル孔(ストップホール)を設け，き裂を除去した後，当て板を高力ボルトで接合する補修が有効である3),4)．しかし，図-1 に示すように，き裂の発生·進展箇所によっては，当て板を接合できず，ストップホールを設けるのみの応急処置を行い，経過観察する場合がある．また，トラス橋の主構造と床組の横桁ウェブの連結部に発生するき裂(板曲げ応力によって発生)にストップホールを適用した場合も，当て板の施工が困難となる．