曰本のヒラメ養殖生産状況と安全性のPR

摘要

稿を執筆するに当たつて1986年に発行された「浅海養殖」=を改めて読hだ。その沿革には「ヒラメの養殖は、(中略)1900O年以降になつて急速に広がり始めた新しい養殖魚種の1つである」という記述がある。なお、農林水産省の漁業.養殖業生産統計に養殖ヒラメの生産量が初めて記載されたのはSS年で、当時の生産量は648もであった。筆者は年に韓国のヒラメ養殖場を見学するため、九州のヒラメ養殖生産者の訪韓に同行した。まず釜山市の種苗生産場と養殖場を見学した後、済州道で日本人技術者が駐在する掛け流し式の陸上養殖施設を訪れた。そのとき、同行者が「韓国でヒラメを養殖するときに半島側全土と済州島のどちらを選ぶかと聞かれたら济州島を選ぶ」と言つていたのが印象に残っている。その後、10年足らずで韓国の養殖ヒラメ生産量は日本を超え(図ー)、済州道はその中心地として日本のヒラメ養殖に大きな影響を与えた。本稿では韓国産養殖ヒラメの情報も交えながら、日本のヒラメ養殖の現状について紹介する。