三倍体等ノ (ィテク魚の特性評価海面養殖用種苗としての利用の注意点

摘要

平成が始まったころ、水産養殖の分野において三倍 体化等の染色体操作が着目され、サケ、マス類やァュ 類等で活用されてきた。そして、サケ、マス類の一部 ではご当地サーモンとしての地位を確立するまでになっている。もともと、三倍体魚の作出技術をはじめとする染色 体操作技術は、都道府県水産試験場を中心に開発が進み、昭和60年代に入り実験室レベルから養殖業等の 事業レベルまで達した。染色体操作は、遺伝子組換え と異なり遺伝子そのものを改変するものではなく、生 物が全く新しい性質を獲得することはない。ただし三 倍体魚等の利用には公共水面またはこれに連接する水 面が用いられる場合が多く、その特性についての科学 的知見が不十分のまま、三倍体魚等を無秩序かつ無制 限に行うと、魚種の特性によっては、水産業の健全な 発展に支障を及ぼすことも考えられた。