コ才ロギは走って逃げるか、跳hで逃げるか

摘要

生きている上で我々は常に「選択」を迫られる。日常生活 でも，何を着ていくカゝ，傘を持っていくかどうカゝ.昼食に 何を食べるか，等，選択が必要となる場面は数えあげれば きりがない。我々は常日頃から意識的に，あるいは無意識 に，自分がどうするかを選択して生きていると言えよう。 現在私は.「行動選択」の神経メカニズムの解明を目指し， フタホシコォロギを用いて研究を進めている。私は学部4年から.小川宏人先生のもとでコォロギを用 いて研究してきた。特にコォロギは，闘争、逃避、音源定 位などの様々な行動について調べられてきた動物であり， 私はその中でも特に逃避行動に着目している。逃げるが勝 ちと言うように，特に身の危険が迫った際に取る行動とし て，逃げることは非常に賢明な行動のひとつである。そし て逃避行動をしょうとする際に，自分が危険に晒されてい ると感じるための手掛かりは，視覚や嗅覚，聴覚.触覚な どによる様々な情報があるだろう。コォロギはそのひとつ として，周囲の気流の動きを検出する気流感覚受容器を もっている。天敵が接近してきた際に生じる気流を，その 速度や角度まで精密に検出した上で，コォロギは逃避行動 をするのである。