文化遺産ディジタルアーカイブとディジタル再現

摘要

近年のエレクトロニクス技術の急激な発達により，高性能で広いメモリ領域をもつ計算機，高分解能のディジタルカメラやテレビカメラ，高精度3次元距離センサなどが広く使用可能となってきた．これらを用いて，ディジタル的な文化財の記録?保存や再現が注目されてきた．我々のグループでも，科学技術振興事業団CRESTプロジェクトを通して，鎌倉大仏や奈良大仏あるいは唐招提寺金堂などといった国宝級の歴史文化遺産の3次元形状や見えをディジタルデータとして半永久的に保存する技術を開発している．本稿では，このプロジェクトを中心に，画像処理技術を用いた文化遺産のディジタルアーカイブ研究動向を概説する．