Discussion on the Rank Deficiency of the Representation Matrix of the Smoothing Constraint in Inversion Methods Using a Bayesian Information Criterion

摘要

変位や傾斜並びに歪みなどの測地観測データから，地震断層面上の変位分布やプレート境界面上での滑り欠損分布等を推定する際．べィズモデルに基づき赤池のべイジアン情報量基準(ABIC)を最小化することによって．拘束条件の重みを最適化する逆解析手法がしばしば用いられている．分布の滑らかさを拘東条件として与える場合。空間微分演算子に相当する行列を用いて．滑り分布等を表すモデルパラメターに関する事前確率密度関数を定義するが，この表現行列に階数欠損がある場合の取り扱いについて考察を行なった．結論とLて．空間微分及びその線形結合のみを表現する行列は，境界条件などの他の条件を取り込まない限り． 必ず階数欠損を引き起こし特異となる． 一方で，階数欠損のある場合。全モデルパラメター空間に対しては，事前確率密度関数を一意に定義することはできず．それがゅえにABICを求める際に必要な周辺対数尤度も一意に定まらなくなることが分かった．以上のことから．ABICを用いて拘東条件の重みを決定するには．階数欠損のない行列を用いて事前確率密度関数を構築する必要があり．本稿ではこの点を克服した手法についての紹介も行なう。