20世紀における銅合金鋳造技術開発史の諸断面（余録，その1）

摘要

本誌72巻（2000）12号は，20世紀におけるわが国の鋳造技術の進展に関する特集号であった．そのなかで銅合金関連分野でエポックメーキング的技術·材料で，その萌芽期·発展期のエビソードで開発秘話など紹介するよう依頼され,拙稿を連緩した。 その際筆者の非力や紙数制限から記述の省略や説明不充分な点があり，識者からのご教示，読者からの質問があった。 また紙数の関係で割愛した話題が多々あった．そこで，本稿は課題の初期目的を補完するため,まずご教示と質問を勘案して内容を退加,次に割愛した話題を再調査のうえ増補した．更に機械統計の需要分野別ではその他に属する大仏梵鐘，モニュメント等まで関連分野を拡大した。 したがって記述が前稿と若干重複したり，また内容拡大のため全編がアラカルト的になったきらいがある．しかし前稿と併読して，これも20世紀における銅合金鋳造技術開発史の一断面として頂ければ幸甚である．なお文中の登場人名敬称略，暦年表示の略記ご寛容ください．