高周波誘導加熱による短時間溶体化処理がADC12高圧ダイカスト品のミクロ組織と硬さに及ぼす影響

摘要

輸送機械や産業機器の部品に用いられるアルミニウム合金展伸材の中でも，CuやSi及びMgなどを含有する析出強化型合金は，機械貯性質を向上させるための溶体化処理及び時効処理が広く行われている．しかし，類似組成を有するダイカスト成型品に対しては一般に溶体化処理は行われていない．主な理由として，高温保持を伴う溶体化処理過程において空気の巻き込みや溶湯中に吸収された水素ガス等に起因するブリスタやポア（気孔）などの孔状欠陥などが発生し，機械的性質の低下や製品外観の不良が生じてしまう1－2）ためである．