増本量センダストなど多くの金属材料を開発

摘要

増本量は1895（明治28）年，広島県安芸郡矢賀村（現·広島市東区）の農家の長男として生まれた。 小さい暗から努力家で，勉学好きであったが，苦学生であった．県立広島中学校（現·県立国泰寺高校）に進むが，中退し，約4年税務監督局に勤めながら，私立修道学校（現·修道高校）の夜学に通った．1919年東北帝国大学工学専門部機械工学科を卒業，1922年28歳のとき東北帝国大学理学部を卒業した．卒業と同時に，同大学金属材料研究所（旧·鉄鋼研究所）に入所し，本多光太郎のもとで，金属学の研究を始めた．1927年33歳のとき「コバルトの変態」の発見で理学博士となった．その後，数多くの鋼鉄や磁石に関する開発を行った。 主なものに，新KS磁石鋼，センダスト，スーパーインバー（超不変鋼），アルフェル，スーパーエリンバーなどがある．