熱電変換材料·素子最近の話題：高性能ビスマス·テルル系熱電変換モジュール

摘要

熱電素子の歴史は古く，1821年Seebeckが異種の半導体で作った閉回路の接合部を加熱すると，この回路の近くに置かれたコンパスの針が振れるというゼーベック効果を発見したヱとに遡る）1834年にはPeltierが2種類の導体に電流が流れると，その接合部で発熱，吸熱が生じるベルチエ効果を発見している．熱電材料には低温で特性が高いもの，室温で特性が良好なもの，高温で性能を発揮するものなど種々の材料が開発されている．この中でBi－Te系の熱電材料は室温での特性が高く，この領域では他の材料を寄せ付けない4）5）Bi-Te系熱電材料の用途は，ベルチエ効果を利用する室温領域の精密温度制御·冷却などが主である．最近では，省エネルギー意識の高まりに伴いゼーペック効果を利用して廃熱から熱電発電を行うなど，新しい用途開発が活発になされている.また極低温用についても，-130°Cという低温を目指した研究も実施されている．ここでは，Bi-Te系熱電材料の研究開発の概要について紹介する．