日本における鉄鋼材の物質ストック量の導出

摘要

鉄鋼材の物質ストックを導出する方法を確立できた。 資源有効利用の観点から物質ストソクの内訳を区分するための用語の定義をおこなった。 物質ストソクを，既存の鉄鋼蓄積量（Overall stock）だけでなく，In-use stockとHibernating stockに区分して，それぞれの量を2000年まで推計できた。 2000年における12億トンの鉄鋼蓄積量のうち，約9億トンがIn－use stock であることがわかった。 今後は，本研究で用いたパラメータの導出に対する確度の高い研究が望まれるとともに，本結果を用い将来の鉄鋼需要やスクラップ回収量の推測に対し新たな示唆が得られると考えられる。 （社）日本鉄源協会林誠一氏ならびに（株）日鉄技術情報センター玉城わかな氏には，本論文について貴重なご助言ならびに貴重な情報をいただきました。心より御礼申し上げます。なお，本研究は，鉄鋼研究振興助成研究「社会蓄積量から見た鉄鋼村有効利用の評価（受給者：醍醐市朗）」により得られた成果の一部である。