表面および界面を伝搬するガイド波解析によるポリマーライニング材の膜厚さと界面剥離の評価法

摘要

ビニルエステルを塗布したライニング材の厚さと界面剥離を，漏洩表面縦波（LICW），分散性のレイリー波（Rayleigh mode）を用いて評価する手法を提唱した。レーザ超音波装置およびPZT素子を用いた実験と考察から以下の結論が得られた。 （1）ライニング材を表面沿いに伝搬する超音波のうち，2点間を最も速く伝搬する初動波は，ライニング層縦波→漏洩界面縦波（LICW)→ライニング層縦波の経路を伝搬した波である。ライニング層の厚さと初動波伝搬時間には線形比例の関係が存在し。 ライニング層厚さが推定できる。（2）ライニング材を伝搬するガイド波は，Rayieigh mode とSezawa modeである。 （3）Rayleigh modeの速度分散曲線が極小値をとる時の周波数は，ライニング層厚さにより異なる。 この特徴を用いることによって，ライニング層の厚さが推定できる。（4）ライニング層剥離部では，ライニング層をLamb波が伝搬する。Lamb波のSheet Velocityは，LICWの群速度の半分以下である。 剥離の有無による初動波速度の違いから剥離部が特定できる。