可変速揚水発電·水力発電システムを支えるパワーエレクトロニクス技術

摘要

東芝は，1990年に世界で初めて可変速揚水発電システムを実用化した。パワーエレクトロニクス技術の進歩に伴い，高電圧かつ大容量のサイクロコンバータの製作が可能になって実現したシステムである。その後，可変速揚水発電用として中性点クランプ（NPC）方式や分圧リアクトル方式などの電圧形変換装置を，また，水力発電用としてkW級に続きMW級可変速装置を開発してきた。可変速の揚水時入力調整機能と高速応答機能は再生可能エネルギーの出力変動対策に，また，高効率運転と運転範囲拡大は水力資源の有効利用に寄与する。基盤となるパワーエレクトロニクス技術の進歩とともに，揚水発電·水力発電システムの可変速化がいっそう推進されると期待される。